ヤマウルシ−山漆 (1999.11.3、2006.10.17)
 Rhus trichocarpa


 いま山々では、カエデと並んでヤマウルシが見事に紅葉している。
 高さ3-8mの落葉低木で、日本全土に分布している。山で最もよく見かける木の一つで、秋には真っ先に紅葉する。ウルシ科の木には紅葉のきれいなものが多い。ツタウルシ、ハゼ、ヤマハゼ、ヌルデ等はよく目立つ。葉の付き方は、1回奇数羽状複葉と呼ばれている。一つの葉に葉心が出来て枝のようになり、この葉心に互生した2枚ずつの葉が付いたように見える。これを羽状複葉という。葉心の先に葉が出ているものが「奇数」無いものが「偶数」羽状複葉である。この羽状複葉を2回繰り返しているネムノキの葉は、2回羽状複葉と呼ばれる。
 雌雄異株で、5−6月に黄緑色の小さな花を多数付ける。葉や枝に触れるとかぶれることがあるので要注意。
 学名はRhus trichocarpaで、ウルシ科ウルシ属である。
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 紅葉の季節の安達太良山は風が強い。当てにしていたロープウエーが止まって、仕方なく歩いた山道で、真っ赤に染まった灌木を見付けた。ヤマハゼかと思って近寄ると、ハゼ特有のシャープでスリムな葉ではなく、丸みを帯びた葉なので、ヤマウルシと判った。あまり近づかずに写真を撮ったが、ウルシ科の宗主だけあって、見事な紅葉である。(2006.10.17)

京都、芦生の森で見た11月のヤマウルシの紅葉(1999年11月)



安達太良山で見た10月のヤマウルシの紅葉(2006年10月)



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