マルバウツギ−丸葉空木 (2004.5.8、2004.5.12(ノルンさん))


 ユキノシタ科のウツギの代表的なものは、ウツギ、ヒメウツギ、ウラジロウツギ、マルバウツギ、バイカウツギである。バイカウツギは花が大きいのと、その付き方から一目で他のウツギと区別が付く。前4種を区別するには、先ず葉を見る。葉はどれも対生で、2枚ずつ綺麗に並んでいるが、マルバウツギだけは葉が太く丸い。その他は先端に行くにしたがって尖っていく細長い形をしている。また、ウラジロウツギは名の通り、裏が白い。
 次に花を見る。ウツギ属の花の特徴は、雄蘂の花糸が翼を持ち下半分が短冊状になっていることである。この花糸の翼の形が、少しずつ異なっている。翼の先端部を見ると、ウツギとウラジロウツギはほぼ四角(90度)になっているが、ヒメウツギではツノのように突き出している。一方、マルバウツギではなで肩になって角がとれ、丸みを帯びている。また、若い枝を見ると、ウツギとマルバウツギでは褐色を帯びており、毛も生えているが、ヒメウツギは緑色で無毛である。もちろん、どの種類でも、名の通り茎の髄は中空である。
 マルバウツギの学名はDeutzia scabraで、ユキノシタ科ウツギ属である。



ノルンさんが綺麗に撮られた、満開のマルバウツギ


雄蘂の花糸の翼が上端で「なで肩」になって、丸みをおびているいることが分かる



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