タニワタリノキ(谷渡りの木) (2011.8、黒岩さん)
 Adina pilulifera


 このページでタニワタリノキとしてご紹介していたものは、実はシマタニワタリノキであることを黒岩さんが指摘して下さった。そして、本物のタニワタリノキの写真を小石川植物園で撮影して送っていただいた。嬉しいことである。さらに、友人の方に頼んで、野生のタニワタリノキの写真を付けて下さった。最下段の4枚がそれである。
 タニワタリノキは九州以南に分布する常緑の低木である。花期は8−9月で、枝先に一つずつ出る小さな球形の頭状花序に多数の花を付け、細長い花柱を突き出す。シマタニワタリノキと比べると、茎が無毛であること、葉脈の支脈と主脈の角度が直角に近いこと、花期がシマタニワタリノキより1月程度遅いこと、などから区別できる。(これらの特徴の違いは黒岩さんのご指摘によった。)
 学名は、Adina piluliferaで、アカネ科タニワタリノキ属の常緑低木である。東京都文京区の小石川植物園で撮影。

黒岩さんが写された小石川植物園のタニワタリノキ


 頭状花序の大きさが解る


 花の一つ一つを見ると、花冠が5裂していることがわかる


 手前の花はまだ蕾。これが開くと雌しべが突きだしてくる


 葉は厚手で、6-9cmあり、葉脈の支脈は主脈に対して直角に近い角度をなす


 葉の裏面と托葉。対生で、左右の葉の托葉の基部が合着している。茎は無毛。


 全体像。花茎はかなり長い


以下は、黒岩さんの友人が写して下さった野生のタニワタリノキ

 葉の表。この木の葉の葉脈の交差角はやや狭い


 葉の裏面


 花


 全体像


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