シュロ (2002.5.5、2010.6(よしゆきさん))
 Trachycarpus fortunei


 シュロはよく見かける木である。自生地は九州南部であるが、公園や学校、そして民家にもシュロの木が植えられている。近くにシュロの木が1本あると、鳥が運んだ実生があちこちに生えてくる。気が付いたときには随分の大きさになっていることが多い。
 そのシュロの木の写真を、よしゆきさんが送って下さった。「なぜかシュロがないようなので送ります。子供の頃、父親がこの葉でハエたたきを作ったり、繊維でシュロ縄を編んだりしていたことを思い出します」。たしかに、昔は葉や繊維が縄や箒や細工によく使われたが、最近は総て化学繊維やプラスチックにとって代わられて、自然のぬくもりが減ったように思う。この機会に、私自身の撮り貯めていた画像を加えてシュロのページを作ることにした。
 シュロは幹が円柱状に伸びて5−10mになるので、高くなってしまうと剪定も出来ず成り行きのままとなる。5−6月に大きな円錐花序を出して黄色い花をビッシリと付ける。雌雄異株であるが、雄花・雌花以外に両生花も見られる。扁球形の果実が生長し、10月頃に濃藍色に熟す。葉は50cm以上の大きさになるが、途中で折れ曲がることが多い。類似の品種に「トウジュロ」があるが、こちらは葉が折れ曲がらないので、シュロと区別できる。
 学名は、Trachycarpus fortuneiで、ヤシ科シュロ属の常緑高木である。九州南部に自生するが、公園樹としては全国に広く植えられている。

雄木、幾つかの葉は途中で折れているのが解る。


円錐花序と黄色の花


これらの花には雄しべが沢山付いており、雄花である。


こちらは雌花(よしゆきさん撮影)


葉が途中で折れているのがよく解る(よしゆきさん撮影)


シュロの実(よしゆきさん撮影、2007.1.14)


野生化したシュロの木(よしゆきさん撮影)


公園?のシュロの木(よしゆきさん撮影)


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