オキナワシャリンバイ(ホソバシャリンバイ) (2004.3.18、中島さん)
 Rhaphiolepis umbellata var. liukiuensis


 「オキナワ・・・」と名の付く木が多い。同種の木でも、本州のものと少し違っているからである。中島さんから写真が届いたオキナワシャリンバイ(沖縄車輪梅)もその一つである。オキナワシャリンバイは、本州の物と比べて葉が細く、鋸歯もよく目立つ。そのため、ホソバシャリンバイとも呼ばれる。
 本州のシャリンバイは5月に道路の植え込みで白い花を付けているが、沖縄では3月に咲く。花の後は丸い果実となって、11月には黒く熟す。樹皮はタンニンを多く含んでおり、大島紬や久米島紬、また沖縄の芭蕉布を染め上げる染料として使われる。そのため、久米島仲里村では、オキナワシャリンバイが村花に指定されている。
 シャリンバイは、枝の付きようが輪生になっており、これを車輪に見立てて名前が付いているようである。本州でよく道路の分離帯に植えられるものは1mに満たない丈であるが、大きなものは5m近くに育つ常緑小高木である。葉が太くて丸いものを「マルバシャリンバイ(var. integerrima)」と呼んでいる。また、小笠原には、細くて全縁の葉を持つ「シマシャリンバイ(Rhaphiolepis wrightiana)」がある。
 学名はRhaphiolepis umbellata var. liukiuensisで、バラ科シャリンバイ属である。umbellataは、丁度傘のように、1カ所から多数の枝が分岐していることを指す。liukiuensisは勿論琉球(沖縄)の意。沖縄の方言では、この木をティカチあるいはティーチと呼んでいる。

3月の花



11月の実


木の幹


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