チシマザクラ−千島桜 (2003.5.26、西村さん)
 Prunus nipponica var. kurilensis


 札幌の西村さんから「チシマザクラ」の素敵な写真が届いた。
 西村さんのメールの一節に「春の遅い北海道も、先週やっと釧路で桜の開花宣言が出て、桜前線の日本列島縦断の旅が終わったようです」とある。1月に沖縄で始まった桜前線も4ヶ月を経て、日本列島2500kmの旅を終えた。沖縄で最初に咲く桜は「寒緋桜」であるが、釧路で最後に咲く桜が、この「千島桜」である。札幌の北海道開発局開発土木研究所(豊平区平岸1条3丁目)にも、約200本の千島桜が植えられており、西村さんはここで写されたと言うことである。
 チシマザクラは、北海道・千島と本州の高山に咲く「タカネザクラ」の変種である。本州にある桜の中では最も高地に咲く。花は、葉の展開と同時で、ソメイヨシノなどと比べると、まばらに付く。西村さんによると、「花の直径は2cm程、めしべ1本におしべが長さ不ぞろいで18〜20本。木は潅木に近い印象。高さ3〜5m程度。」とある。最下段に、送っていただいた「土木研究所の説明板」を載せた。  学名はPrunus nipponica var. kurilensisで、バラ科サクラ属である。kurilensisはもちろん「千島(クリル諸島)の」という意味である。
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 西村さんから、千島ザクラについての後日談のお便りがあった。北海道新聞によると、「今年の日本での最後のお花見は、根室市歯舞で、6月中旬となった」と知らせていただいた。日本列島桜の旅は、5ヶ月にわたった事になる。ちなみに、この桜の木々は、同所の長山さんご夫妻(83才、82才)が3年前に千島ザクラの苗を植えてミニ公園を作られたものという事であった。




かなり密に花の付く木もあるようだ


土木研究所の説明板


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