リンボク (2007.9、橋本さん)
 Prunus spinulosa


 リンボクは高い梢にしか花を付けない木である。府立京都植物園のクスノキ並木の後ろにあるのだが、うまく花が見えない。保津川沿いにもあると聞いているが、まだ見付けていない。どうしたものかと思っていたら、橋本さんが北白川で見付けて、その望遠写真を送って下さった。ズーム一杯にとっても難しそうな遠望であるが、腕が良くて、その特徴ははっきり解る。
 撮られた木の高さは10mを超しており、リンボクとしては良く育った木である。花はバクチノキ(花期は9月)に似ているが、バクチノキの葉には鋸歯があるのに対して、リンボクには若木の葉以外は鋸歯が無く、葉の縁が波打っている。花期は9−10月で雄蘂の長い多数の白い花を塔状(総状花序)に付ける。サクラ属の中では、ウワミズザクラ系の花の付き方である。
 学名はPrunus spinulosaで、バラ科サクラ属の常緑高木である。関東以西、福井県以南に分布する。




花は太陽の光を求めるように、樹冠にのみ咲く


鋸歯はほとんど無く、葉の縁が波打つ



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