ラクウショウ−落羽松 (1999.7.4、1999.3.22(佐々木さん)、2016.8.17(宮下さん))
 Taxodium distichum


 ラクウショウ(落羽松)は、一見メタセコイアに似ているが、湿地などに生えたものは膝と呼ばれる気根が見られるので、区別できる。別名を沼杉(ヌマスギ)とも言う。葉は、晩秋に褐色になって落ちる。花は4月頃咲き、2-3cmの球果を付ける。球果は、10月頃暗褐色に成熟する。
 豊中の都市緑化植物園にはラクウショウの木が多く、秋の紅葉は見事である。また、新宿御苑のラクウショウの膝は典型的で、よく発達しているが、この写真を佐々木さんから送っていただいた。
 学名は、Taxodium distichumで、スギ科ヌマスギ属である。北米東南部からメキシコの原産。 ******************************************************************
 高校で同期だった宮下さんは、退職後、ベルリンに居住するという贅沢を選んで、音楽会、美術館、友人とのお茶会など、今もその生活を楽しんでおられる。その宮下さんから、北ドイツを散策した折りに見つけられたラクウショウの膝根の記事を送っていただいた。以下は宮下さんのメールの一節である。
 「ベルリンを取り囲むブランデンブルグ州の北側のメクレンブルク・フォアポンメルン州の州都シュベリーンは大きな湖を持つ旧東ドイツの美しい町です。その州議会場はお城の中にあります。そのお城が大きな樹木林を併設する公園(Schweriner SchlossgartenとGruenhausgarten)を持っています。
 その樹木林の中でも一際高い樹の下で二人の女性が働いているのですが、そこには遠くから見ると埴輪のようなものがずらっと並んでいるのです(2枚目の写真)。近寄って見ると、地下に伸びている根から芽が出ているように見えました(3枚目の写真)。さて、そこで女性に聞いてみました。「一体それは何なのですか?」「木の根です。」「それは正常なのですか病気なのですか?」「正常です。」「その根を保護するために周りの草を抜いているのですね?」「そうです。」「何という樹ですか?」「ズンプフ・ティプレッセです。」次の最後の問答が面白かった。「もう一つ質問があります。その樹はどのくらい古いのですか?」「わかりません。私達は作業を始めてからまだ4週間しか経っていません(ので)。」「ありがとうございました。さようなら」」
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シュベリーン城公園のラクウショウと手入れをする女性達−宮下さん撮影(2016.8.17)


女性達が手入れをしていた膝根−宮下さん撮影(2016.8.17)


紅葉を始めたラクウショウ−ちゆきさん撮影(2003.10)


新宿御苑のラクウショウに発達した膝−佐々木さん撮影(1999.3.22)    市大植物園の膝


京大の上加茂演習林のヌマスギの膝(2001.3)


市大植物園のヌマスギ                 京都府立植物園のラクウショウの紅葉


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