マテバシイ (2002.6.29)
 Pasania edulis


 栗の親戚であるので、同じ様な花が付き、同じ様な匂いを発する。この時期に、生臭い匂いを出す花は、スダジイに始まり、クリ、マテバシイと続く。いずれも、ブナ科の木である。種類は違うが、プリペット、ネズミモチが、同じ頃に、やや上品な類似の匂いを漂わせる。
 雌雄同株で、噴水のように吹き上げる雄花がよく目立つが、注意深く見ると、雄花の花枝の中に一本だけ花の付いていないものが混じっている。この花枝には小さな雌蘂の柱頭だけが覗く雌花が沢山付いている。雌花はやがて、小さなつぶつぶの実になり、年を越して成長してドングリとなる。同じ年に立派な実を付ける栗に比べると晩生である。ドングリは、甘みはないが、食べることができる。木は、乾燥に強いので公園樹としてよく植えられる。
 学名はPasania edulisで、ブナ科マテバシイ属である。別名サツマジイとも言う。



中央に長く伸びている花枝には雌花だけが付いている。周りを雄花の花枝が取り囲む。


雄花                                      雌花


今年の実と、一年以上をかけて成長したドングリとが同居している



幹の樹皮の様子は樹齢によってかなり変わる


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