イチョウ−銀杏 (1998.11.28、2007.9.22(sariさん))
 Ginkgo biloba


 「いちょう」は銀杏、鴨脚あるいはMaiden hair treeとも呼ばれる、ごくありふれた木だが、大学の並木道、御堂筋の並木に代表される典型的な街路樹でもある。ご存じのように、東京大学と大阪大学の校章はともに「銀杏の葉」である。また、多くの寺や神社に「大銀杏」があり、高山の国分寺の大銀杏を見られた方も多いだろう。
 銀杏は「金色のちひさき鳥のかたちして 銀杏ちるなり夕日の岡に」(与謝野晶子)で代表されるように、秋の黄葉と落葉が見事だが、春先にはかわいい若葉を出し、その陰に小さな花を付ける。そして、銀杏の木の下は細かい落花で一杯になる。
 最近は臭いが嫌われて、街路樹には雄木ばかりが植えられるが、御堂筋の並木には雌木が沢山あり、秋の剪定の時期にはギンナンを拾う人で一杯になる。焼いたり茶碗蒸しに入れたりと美味しいギンナンであるが、種子を包む果肉にはギンゴール酸などのアレルギー物質が含まれているので、素手で触るとひどく腫れて体調を崩すことがある。くれぐれも注意したい。
 学名はGinkgo bilobaで、イチョウ科イチョウ属で唯一の種である。

京大北部構内の銀杏並木




ギンナンが出来ている雌木(sariさんの撮影、2007.9)



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