オヒルギ−雄漂木 (2000.6.24、2007.2.27(温室))
 Bruguiera gymnorrhiza


 オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギは、八重山郡島のマングローブを代表する木である。マングローブとは、亜熱帯・熱帯の海岸線や河口に生育する木の総称で、日本ではオヒルギを含む7種類を見ることが出来る(最下段を参照)。
 石垣島で乗ったタクシーの運転手さんが、幸いにも植物に詳しい人でオヒルギが育っている場所に案内してもらうことが出来た。注意してみると赤い小さな花が咲いている。少し危険な崖を滑り降りて撮したものが下の写真である。
 オヒルギはヒルギの中では最も大きくなる木で、10m程度まで成長する。赤い萼が目立つ花を5−7月に咲かせる。典型的な胎生種子で、親木に付いたままで種子から若木が成長して下に伸び、やがて落下して、泥土に突き刺さる。種子が海流に流されずに着床する工夫をしている。
 学名はBruguiera gymnorrhizaで、ヒルギ科オヒルギ属である。
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 京都府立植物園の温室でも2月にオヒルギの花にお目にかかった。(2007.2.27)



地面から小さな膝根が沢山出ています


京都府立植物園温室のオヒルギの花(2007.2.27)



西表島の仲間川両岸は、ヒルギを中心とするマングローブの森

マングローブとは
 「マングローブ」は熱帯・亜熱帯の海岸や河口に育ち、 塩分のある水を摂取して利用することが出来る植物群です。 ヤエヤマヒルギのように根で塩分を取り除くものや、 葉から塩分を排出するものもあります。
 日本には鹿児島県以南に生育し、ヤエヤマヒルギ、オヒルギ、 メヒルギ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキ、ヤマブシキ、ニッパヤシ の7種が自生します。
 根に特徴があり、ヤエヤマヒルギのような支柱根、オヒルギのように 地中から膝のように首を出す膝根、ヒルギダマシのように地中から 沢山の細い根が枝のように立ち上がった通気根などが見られます。
 また、種が海水に流されないように、親木で成長してから泥に突き刺さる工夫をした 胎生種子(ヤエヤマヒルギ)や、少しだけ成長してから落下する 半胎生種子(ヒルギダマシ)などがあります。
 昔は、熱帯・亜熱帯の海岸はマングローブの緑で覆われていましたが、 海浜の開発に伴ってその面積が次第に減少しています。 特に東アジアでの減少は著しく、危機感が持たれています。 マングローブの森を守り育てようという運動も 次第に拡がりを見せています。


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