ビンロウジュ (2002.1.19)
 Areca catechu(Betel palm)


 下の方の幹だけを見ていると全く「竹」のように見える。単子葉植物網の代表的なものは、ゆり目、いね目、やし目、たこのき目などである。竹は「いね目」、ヤシは「やし目」で、お隣同士であるから、幹が似ていても不思議はないのであるが、あまりに似ているので、上を見上げるまでは竹だと思ってしまった。
 宇治市の植物公園温室には、小笠原、琉球方面の植物がよく集められていて、数種類のヤシを観察することが出来る。ビンロウジュはインド、マレーシアの原産であるが、小笠原、沖縄に広く分布する。春に50cmほどの花穂を出し、3cm大の果実を沢山付ける。この果実は「檳椰子」と呼ばれ、南方原住民は石灰とキンマの葉に包んで噛む習慣がある。
 学名はAreca catechuでヤシ科ビンロウジュ属である。
 同じヤシ科にビロウ(檳椰、Livistona chinensis)があり紛らわしいが、こちらはいかにも椰子の幹である。



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