バオバブの木 (1999.8.19)
 Adansonia digitata


 サンテグジュペリといえば「星の王子さま」、星の王子さまといえば 「バオバブの木」である。王子さまは、小さな星が大きなバオバブの木に 占領されないように、毎朝バオバブの芽を探して摘みとるのを日課にしていた。 星の王子さまの本には、3本のバオバブの大木に覆われてしまった小さな星の 挿し絵が描いてある。
 そのバオバブの木が京都府立植物園にあり、日本で初めての花が開いた! 蕾が九つあり、8月はじめに最初の花が、そして、18日の夜3つ目の花が咲いた。 花はたった一日の寿命で、私が駆けつけたときには、もうかなり茶色くなっていた。 咲いたときは純白であったそうだ。いつも夜に咲き始めるので、 植物園の開園と同時に温室に駆けつけないと、真っ白な花を見ることは難しい。
 木に一杯の花が付くのかと思っていたが、一つずつ咲くようである。しかし、 花は予想以上に大きく立派である。八重気味の5弁の花びらの下に、キノコのように 沢山の雄しべと一つの雌しべが突きだしている。花が重いので、下向きに咲いていた。
 熱帯アフリカ、マダガスカルの原産で、幹は太鼓型に肥大して特殊な樹形をつくる。 材は船や浮きに、樹皮は繊維に、若葉は食用に、果実は解熱剤として使われる。
 学名は、Adansonia digitataで、バンヤ科である。digitataは 手の指のようなという意味で、葉の形を指していると思われる。



バオバブの実


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