アスナロ(翌檜)−てんぐ巣病 (2011.4.16(神戸森林植物園))
 Thujopsis dolabrata


 六甲山の中腹にある神戸森林植物園へは、神戸電鉄有馬線の北鈴蘭台駅からバスが出ている。暖かくなった時期を見計らって出かけてみた。花木を写した後、常緑樹に取りかかり、アスナロを写していると黄色い花が見つかった(と思った)。
 ところが、どうも様子がおかしいので調べてみると、この木が「アスナロてんぐ巣病」にかかっており、その菌の胞子が出ているのだと解った。菌が感染すると、最初の写真のように、枝先などから不定形の芽が出現し、これが分岐しながら成長して、春には写真2,3のような黄色のさび胞子を生ずる。さらに放っておくと、どんどん大きくなって、てんぐ巣状になる。場合によっては木が枯れることもある。日本のみに見られる特異な菌で、ネズコやヒノキアスナロ(ヒバ)にも感染する。
 病原菌の学名は、Blastospore betulae Kaneko et Hiratsukaでヒバ・アスナロてんぐ巣病と呼ばれる。本州・四国・北海道で見られる。。

最初は折れ釘のような形の鮮やかな緑色の芽を出す


春には先端に黄色のさび胞子を付ける。



てんぐ巣病が枝全体に拡がっている。


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