ミヤマゼンコ−深山前胡
 Coelopleurum multisectum
 (2005.8.21(木曽駒−2650m)、2009.8.20(立山室堂−2000m)、2011.7.14(乗鞍岳畳平花畑-2700m))


 セリ科の花の中では中型に属し、30−60cm程度になる。大きさとしてはハクサンボウフウに似るが、小総苞片が少ないながら有ることや、葉がハクサンボウフウより細かくて、羽状構造がはっきりしていることなどから区別できる。ミヤマセンキュウと比べると小総苞片が目立たない。分布は中部地方の高山に局限される。茎の分岐部には赤茶色の鞘があって茎を抱く。
 学名は、Coelopleurum multisectum<で、セリ科エゾノシシウド属の多年草である。日本固有種で中部地方の高山の草地に分布する。ゼンコ(前胡)は漢名である。

8月下旬の木曽駒ヶ岳千畳敷カールで写した全体写真


 5弁の花。よく見ると小総苞片が見える。


 葉は3ー4回羽状複葉で鋸歯がある、先端の葉は卵形。


8月下旬の立山室堂付近で写す。種子も出来始めている。


 花の拡大。雌蘂の花柱が突き出ている。よく見ると小総苞片が見える。


 種子。ここでも小総苞片が見られる。


 葉。特徴がよくわかる。


7月中旬の乗鞍岳畳平花畑で写す。まだ蕾であるが小総苞片が目立つ。


 総苞片のないことがわかる。先端の葉がやや尖っている。


木々のリストへ戻る