クリンソウ−九輪草 (2009.5.26、六甲高山植物園)
 Primura japonica


 日本化学会会長も務められた井上祥平先生は、京都出張があるとよく京都府立植物園に立ち寄られる。府立植物園で最初にお会いしたときに、生態園の池の近くでクリンソウの花を教えていただいた。その後、六甲高山植物園に見事なクリンソウの群落が出来ていることを知った。今回の写真は六甲高山植物園で撮ったものである。
 山間の湿地に群生することが多い。花期は5−6月で、鮮やかな紅紫色の5弁の花が8-10個輪生して咲き、下から上へ何層にも咲き上がっていく。大きな葉の濃い緑との対比が美しい。輪生した花が9個程度付くので「クリンソウ」と呼ぶのだろうか?
 学名はPrimura japonicaで、サクラソウ科サクラソウ属の多年草である。北海道・本州・四国に分布し、山地の谷川沿いや池の周囲等の湿地に生える。

輪生した花が下から上に数層にわたって開いていく



中央がくぼんだ5枚の花弁のピンクが鮮やか。


葉は結構大きい。複雑な鋸歯がある。



7月、クリンソウの実(2007.7.28、入笠山)


木々のリストへ戻る