キヌガサソウ−衣笠草
 Kinugasa japonica
 2004.7.1/2009.7.15/2010.8.2/2018.6.20(栂池自然園-1850m)


 見応えのある花で、初めて見たときには思わずオッと声が出た。8-10枚ある大きな輪状の葉の中央に、直径6-7cmの白い花が一輪、ひときわ目だって咲く。日本固有種で、学名にもjaponicaの表記がある。1884年に白山で初めて記録された。
 花期は6-8月で、よく行く栂池自然園ではいつもお目にかかる。6月の花は新鮮で真っ白であるが、8月になるとやや黄色みを帯び、雌しべも赤くなるが、子房も発達し始める。花の構造はよく見ると複雑で、外側の白い花弁のように見えるものは「萼片」で外花被片と呼ぶ。内側に外花被片と同数の細い棒状の内花被片があり、これが本来の花弁である。子房は緑色だが、秋には黒紫色に熟し、食べられる。
 学名は Kinugasa japonicaで、メランチウム科キヌガサソウ属の多年草である。以前はユリ科に分類されていた。白山以東、赤石岳以北の日本海側に多く、青森が北限である。深山の湿った草地に群生する。

同期生たちが花旅で写した写真(2018.6.21)

 木道横に綺麗に群生


 6月の花は花被片が白く美しい


2009年7月栂池平での写真(2009.7.15)

 花は最盛期で、雌しべが発達している。白く細い棒状の内花被片がよく見える。



 盛りを過ぎた花。少しピンクがかっている。


2010年8月栂池平での写真(2010.8.2)

 8月になると、雄しべも雌しべが赤くなり、子房が膨らんできた。


2004年7月栂池平での写真(2004.7.1)

 横から見ると、花茎が結構長い



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