ゴゼンタチバナ−御前橘 (2010.7.19(四阿山)、2010.8.2(栂池自然園))
 Cornus canadensis


 初めてゴゼンタチバナにお目にかかったのは、もう50年も前、白山に登ったときであった。白山は登山者の多い山であるが、結構アプローチが長く、お花畑に出たときにはホッとしたものである。そこでクロユリ(実はミヤマクロユリ)とゴゼンタチバナを教えて貰った。白山山頂を御前峰と呼ぶが、この「御前」をとり、実がカラタチバナに似ていることから「ゴゼンタチバナ」と名付けられた。
 大きな6枚の葉が輪生した中央に4弁(実は総苞片))の白い花が付いている。この花も一度見ると忘れない花である。実際の花は中央に集合花となっており、4枚の花弁と4本の雄蘂、そして中央に黒い雌蘂がある。丁度ハナミズキやヤマボウシと似ている。花期は6−8月で、9月にはいると花の後に赤い実が付いている。
 学名はCornus canadensisで、ミズキ科ゴゼンタチバナ属の多年草である。北海道・本州・四国の深山に生育する。

栂池自然園で(2010.8.2)




  横から見ると、結構花軸が長い


四阿山で(2010.7.19)


近づいてみると、4つの花弁と雄蘂、黒い雌蘂が見える


  1つだけ残った花を見る方が分かり易い


秋の西穂高で実を写す(2005.9.25)



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