老谷の大椿

富山県氷見市の「老谷の大椿」 (2001.4.15、鮒池さん)


 「巨木探訪」の中に椿の巨木が少ないのを残念に思っていたら、鮒池さんから椿の写真が届いた。「巨樹の一角に椿の頁もあればと思います。」とお便りにあった。嬉しいことである。
 鮒池さんの送って下さった名標によれば、「老谷(おいだん)の大椿」は2本からなるが、大きい方が県の天然記念物に指定されており、樹高6.6m、幹周り3.47m、樹齢は500年以上とされ、日本最大の椿と言われる。写真のように東西8m、南北11mに広がって森のような様相を呈している。樹種は「ヤブツバキ」である。
 高さ80cmの所から幹が3本に分かれ、それぞれが写真のようにくねって異常な形をしているので、別名を「刺股の椿」と呼ばれている。戦国時代、飢餓に苦しむ民のために城主に直訴した家老が切腹を命じられ、老谷の飯原家から嫁いでいた妻は幼子をつれて老谷に逃げ、夫の非業の死を悲しみながら亡くなった。墓石の代わりに椿を植えたところ、成長するにつれて椿は異様な形となり、妻の恨みがこもっていると言われるようになったという。
 JR氷見線の氷見駅で降りて西方16km、タクシーで30分かかる。車なら、氷見駅から415号線に沿って西に走り、谷屋で左折、更に触坂から道を右にとって、岩瀬の行願寺の手前から細い道を北西に入っていく。



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