兵庫県養父市の「樽見の大ザクラ」 (2005.4.18)


 山腹に一人立つ雄大な桜である。350mの高台から、何百年、悠然と山里を見下ろしてきた。江戸時代には樹勢が最も盛んで、「樽見の大桜」として全国に名を馳せた。
 一度見に行きたいと思っていたが、車を持たないとなかなか行けない。幸い、最近巨樹巡りをしている松村さんが見に行こうと誘ってくれた。大屋町に問い合わせたところ、やや盛りを過ぎたというので心配していたが、まだ花は十分に残っていた。ただ、昨年の城崎水害の影響で道が寸断され、300m近くを徒歩で登らねばならなかった。
 緑陰の山道がパッと開けると、向こうに見事な桜が見えた。下から見るも良し、上からも良し、同じ高さで見つめるのもまた良しという、見飽きない桜である。登ったり降りたり1時間近くも周囲を巡った。晴天に恵まれて、沢山の家族連れが桜を見ながら語り合っていた。近郊の人々の憩いの場でもあるのだろう。
 大枝が枯死したため樹高は20mであるが、幹周り5.2m、樹齢1000年と言われるエドヒガンの老木である。樹勢の最も盛んであった江戸時代には樹冠が20間四方もあり、満開時には皎々として白雪のような偉観を呈したとある。もちろん国の天然記念物である。
 JR山陰線の八鹿で降りて全但バスの若杉・明延線に乗る(1時間に1本程度)。樽見橋か口大屋で降りる。郵便局前から入る道は途中で閉鎖されているので使えない。舗装された車道を登って、途中から左手の山道に入る。バスを降りてから30分程度である。道が解らなければ、地元の人に聞くと丁寧に教えてもらえる。京阪神から車の場合には、中国道を西へ福崎まで走って、播但連絡道路に入る。終点の和田山ICから312号線に入り、左折して9号線を広谷まで行って左折、県道6号線に入る。大屋川に沿って西進し、10kmほどで大屋町樽見に着く。口大屋小学校の手前を左折すると桜への舗装道路があり、駐車場からは徒歩20分ほどで桜に着く。







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