北海道虻田郡京極町の「京極町の開拓記念樹」 (2004.4.16、2004.8.18、西村さん)


 西村さんから北海道30本目の巨木の写真を送っていただいた。北海道第4位のハルニレの巨木である。1位と2位のハルニレは、既に西村さんから送っていただいて掲載されている。以下は西村さんによる解説です。
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 秀峰羊蹄山、別名蝦夷富士のふもとには自然水の噴出する地点が何箇所かある。京極町には自然水の噴出し口を中心とする公園があり、その名も噴出し公園と言って、名水を汲みに来る人々が絶え間ない。そこから数百mほど町なかに寄った場所に京極町の開拓記念公園があり、その奥にハルニレの巨樹が聳えている。
 案内柱には
 「京極開拓記念樹 和名ハルニレ 幹周590cm、樹高25m、樹齢300年(推定) 平成8年7月7日」
とある。高さ1.5mの幹周は実測で571cmであるが、木の根元は1mほどの盛土がされているので、以前はもっと根元に近いところが計られていたものと思われる。いづれにしろハルニレとしては北海道で4番目の太さを誇る。文献によると、開拓時代、このあたりには開拓農場の事務所があり、周りには自然の巨木がいっぱいあったが、台風などで次第に数を減らし最後に残った巨木が、昭和51年の京極町開拓80周年を記念して開拓記念樹と指定されたということである。まだまだ頑丈そうだが、西側の根本には洞が出来、その内面は黒塗りのウレタンで保護されている。
 04/4/16の訪問時には洞の中にはまだ融けきれていない雪が残り、盛土の上にはふきのとうが芽吹き、公園のあちこちには福寿草が黄色の花を付けていた。開拓当初にはこういった巨木が無数に聳えていたのだろう、開拓はこういった巨木達の伐採、根起こしなど大変な苦労であったのだろうと思うが、同時に何ともったいないことをしたのだろうと複雑な心境にもなる。写真は、残雪の残る方が2004/4/16のもので、夏のものが2004/8/18の訪問である。
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 JR函館本線の倶知安駅から道南バスの京極経由伊達行きに乗って、京極で降りる。京極町の中心部から西へ、尻別川を渡って「ふきだし公園」に向かう途中に京極開拓記念公園がある。

青葉の美しい夏8月のハルニレ


葉が落ちて樹形がよく分かる4月のハルニレ


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