北海道上ノ国町の「小森のハルニレ」 (2003.12.17、2004.5.19、西村さん)


 こちらも昨秋からのお楽しみであった、北海道第一位のハルニレの写真である。西村さんの説明文が冴える。
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2003/12/17
  江差からの帰りに訪問。上ノ国町からJR線に沿って木古内町へ向かう道道を行く。3Km位で中須田という地区の踏切を渡る手前右に葬儀社と稲荷神社がある。その間を入り、道なりに行くと天の川の橋を渡る。T字路を右に曲がると30m程で右に鳥居があり、北海道第1位のハルニレが見える。
 文献によれば幹周620cmである。が、無惨でもある。高さ2m位から下はぼろぼろで、木全体も左(西)へ傾いていて、見るからに衰弱した様子である。葉は既に散っているので樹勢ははっきりしないが、枝は数本すっくと伸びているので、案外元気なのかもしれない。若葉の頃にもう一度来てみたい。なにしろ北海道第1位のハルニレなのだから。この小森神社は奥の小高い所に社の代わりの小屋があるだけの無人の神社である。多分近所の人が宮司をしているのだろう。鳥居には細いシメナワが掛けられている。ハルニレには説明の柱が立てかけられているが、かなりの部分が剥げていて何が書かれているのかにわかには判読できない。推察も合わせると、
 「上の国開基800年 戸長役場設置110年記念 名木指定 樹種ハルニレ 上の国町」 と思われる。
2004/05/19
 春に再訪することが出来た。境内には桜も咲いて若葉が伸び、何事もないのんびりした雰囲気です。ハルニレは相変わらず傾いたままですが、若葉の付いた枝枝を伸びやかに広げています。樹齢は不明ですが、幹周から言って500年を越えていると思われます。幹の裏側だけ見ると全く健康な幹です(写真3)。こんな幅の広いニレの幹は始めて見ました、さすがです。傾いているとは言え、枝は上へ上へと向かっていて、いかにもニレらしい樹形です。強風が心配ですが、一年でも長く生き続けて欲しいものです。
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 JR江差線で、函館方面から行くと、上ノ国駅の一つ手前の中須田駅で降りる。南西に200m歩くと広い道道に出るので、これを左に曲がって500mほど歩くと、踏切の手前に右手に入る道が見える。あとは、本文の通りに歩くと小森のハルニレに着く。駅からは1.5km程の距離がある。

背の高い立派な樹形であるが、根元の無惨さが目立つ冬のハルニレ(2003.12.17)。


春の若葉に包まれたハルニレは伸びやかで、樹勢の衰えを感じさせない(2004.5.19)。


裏に回ると、若木のようにきれいな樹皮である。


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