愛媛県大三島の「大山祗神社の大楠群」 (2013.4.10、あささん)


 しまなみ海道の中央に位置する大三島の「大山祗(おおやまずみ)神社」には、楠の巨木群があって、一括して国の天然記念物に指定されている。その内の3本は特に有名で、最も大きいものは、「乎千命御手植の楠」で、樹高15.6m、目通り幹周り11.0m、樹齢3000年と伝えられる。このほかに、幹周り11mの「生樹の御門」、同10mの「能因法師雨乞いの楠」がある。後者は枯れて株だけになっている。
 あささんに送っていただいた大山祗神社の楠巨木群の内、上記の3本以外をまとめてご紹介しよう。いずれも、あささんの解説付きである。
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@ 境内右側に生えている大クス
 幹径2.6m(断面が真円ならば幹周8.2m)。何十年も前からずっと枯れ木だと思っていましたが、最近になって高さ3m地点から1枝芽吹いているのを確認しました。この状態で枯れてないのは逆にすごい。高さは24mと表記がありますが、腐朽が進んでいるので半分以下でしょう。
A 境内左側に生えている大クス
 幹周推定9〜10m程度。樹高15mの「乎千命御手植の楠」よりも2回り高いので20m前後でしょうか。他の神社なら立派に御神木としてやっていけそうな大きさですが、しめ縄も巻かれておらず全くの無名の木です。観光客や地元の人も気にしている様子はなさそう。木にとっては放っておかれた方がいいのでしょうね。若々しく樹勢旺盛です。左側の林にも大きな木がたくさんあり、幹周5m級が8本位ありました。
B 倒れているのは、「河野通有兜掛の楠」です。
 このクスノキは、かつて相当な巨木だったそうですが、元亨2年(1322年)の戦乱で、本殿・拝殿・神宮寺等と一緒に焼失してしまったそうです。余りの大きさに三日三晩燃え続けたと伝承があります。今は大山祇神社の神門の脇に横たえていて、かつての巨体をしのばせます。 Wikipediaによると国指定天然記念物とありますが、倒木のため元々指定はないようです。名前の由来は、弘安4年(1281年)に河野通有が大山祇神社参拝し、蒙古襲来にあたって、戦勝祈願をした際にこのクスに兜を掛けたためといわれています。
C 第三号樹
 大山祇神社の裏の雑木林の中に生えているクスノキで、愛媛県による解説では「高さ48メートル、根回り70メートル、目通り8メートルで円形にひろがる。根株がことに美しく樹勢きわめて旺勢である。」(1951年調査)とあります。 ただ、太い幹を2本失っており、かつてほどの樹勢はなさそうです。 根回り70mが本当ならば異常な大きさですが、枝張りの間違いでしょうか。 立ち入り禁止で近くに接近できず、落ち葉が50cm以上積もっていて根元は確認できませんでした。 国指定天然記念物です。「第三号樹」というのは管理番号のようなものでしょう。 「乎千命御手植の楠」が「第一号樹」に相当するようです。
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大山祗神社への行き方は「生樹の御門」のページに詳述してある。

@ 境内右側に生えている大クス


A 境内左側に生えている大クス



B 河野通有兜掛の楠


C 第三号樹



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