北海道森町の「茅部の栗林」 (2003.8.6、2003.10.21、西村さん)


 札幌の西村さんから、驚くべき栗の巨木林の写真が届いた。西村さんの説明文は、想像をかき立ててくれる。
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 道南の森町に天然の栗林と古い桜林が隣接して一体となった公園があり、青葉ヶ丘公園と呼ばれ町民に親しまれています。栗林は北海道指定天然記念物(昭和43年指定)「茅部(かやべ)の栗林」で、幹周(cm)が480、471、460、415、365、335、・・・、その他3mを越える栗の大木が全部で147本林立しています。
 森町の海岸に沿った丘陵には、太古の昔から延長20Kmに渡って栗の密林があり、先住民の遺跡(3000年前)からも栗の実が見つかっているとのこと。惜しいことに、これらの栗の木は明治に始まる開拓でどんどん伐採され、森港の建設資材や鉄道の枕木として使われ、わずかに馬つなぎの場所として現存の公園部分だけが残されたとのことです。20Kmに渡る栗の密林です、そっくり残されていたならどれだけ壮観だったでしょう、実に残念です。ひょっとすると縄文人が自分達で栗の植樹をして、3000年に渡って栗畑として育てていたのかもしれません。もしそうなら、縄文史を塗り替える大発見かも知れませんが、今となっては実証のしようもないでしょう。誠に残念です。
 03年8月6日と10月21日に訪問しました。10月のときは、栗の実がいっぱい落ちていて、何人かの町民が拾っていました。私も拾いましたが、やはり天然の栗です、実が小さく、後で茹でてみましたが甘みはあまりありませんでした。しかし縄文の人にとっては大切な食料だったことでしょう。
 どれが一番太い480cmの木なのかはっきりしませんが、目測で見当を付けた木をアップで撮りました。駒ヶ岳が栗の木の間から遠望できます。森町と言えばイカの胴体にもち米を詰めて蒸しあげたイカメシの発祥地です。魚は豊富で暮らしにはよいところです。隣接する桜林も桜としては大木に属する太い木が多く、中には5mを越えるものもあるらしいのです。花の時期にもう一度来てみたいと思いました。
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 JR函舘本線の森駅で降りる。ここは大沼公園を過ぎて、再び列車が海沿いを走るところであり、丁度駒ヶ岳の北西に当たる。森駅から東に500mほど行くと郵便局があり、ここを右折し、町役場を通り過ぎて200mほどで、左手に「青葉ヶ丘公園」がある。




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