群馬県邑楽町(おうらまち)の「永明寺のキンモクセイ」 (2014.1.29、熊ちゃん)


 最近の市町村合併の波に飲み込まれずに、周囲を市に取り囲まれながら町が残っている珍しい場所の一つが「群馬県邑楽郡邑楽町」である。その町に国指定の天然記念物のキンモクセイが記録されている。しかし、熊ちゃんのお便りにあったように「昔、巨木でした」というのが正しい。
 昭和12年に国指定の天然記念物に指定された折りには、幹周3.3mの立派なキンモクセイで、村中にその香りが漂ったと言われている。しかし、昭和41年の台風で倒れ、今は2世の若木が育っている。以下は、熊ちゃんが書き写して下さった説明板の文章です。
 「このキンモクセイは、昭和12年6月15日に国の天然記念物に指定されたものである。元弘元年(1331)、永明寺の開基夢窓国師が植えたものであるといいつたえられており、700年近い樹齢を経た希少な老樹である。指定当時は、樹高16m、幹周り3.3m、枝張りが東西18m、南北14m、幹は地上13mから3分岐した傘状の巨樹であり、秋には黄赤色の花を枝一面につけ、その芳香は村中に届くと評された銘木であった。ところが、昭和41年の台風26号により、往時の姿は一瞬にして失われた。 主幹は地上5mで折れて倒伏し、根は大きな土山と化して地上に盛り上がった。寺では急遽町教育委員会などと連絡を取り、文化財保護事業として対策がとられた。数年後大きな幹を支えていた根から小さな芽が数本出てきた。残念ながら主幹は回復しなかったものの芽生えた小さな芽は日ごと目に見えて生長した。その後も順調に成長を続け、現在では樹高も5mに達し、秋には花をつけ、樹勢も旺盛になってきた。 七百年の歴史の重みに堪え、鎌倉・室町時代という中世の邑楽町を物語る貴重な文化財である。」
 アクセスは、東武伊勢崎線の館林で小泉線に乗り換えて本中野で降りる。駅前から線路に沿って西に進み、2番目の広い通りを右折する。300m程北に進んで左折すると、突き当たりが永明寺である(最下段の地図を参照)。






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