秋田県由利本荘市の「岩館のイチョウ」 (2022.6.23、豪さん)


 盛岡に住む豪さんが出張で出かけた日本海側で、天然記念物のイチョウを見かけたと送ってくれた写真である。車で行っても見つけにくいところに、よく途中下車して写していただいたと思うと嬉しい。
 イチョウは樹高30m、幹周9.46m(2014年、宮さん)、樹齢は300年以上と推定され、県の天然記念物に指定されている。こんもりとした感じの堂々たる風格で、地元の方が丁寧に見守っておられるので保存状態も良い。伝承では、鎌倉時代に信州からこの地にやってきた十二頭と呼ばれる豪族達の一人、下村氏の乗馬のムチが根付いたと言われている。
 由利本荘市は2005年に本荘市と近隣の7つの村が合併して生まれた市で、秋田県最大の市域を持ち、その大きさは神奈川県の半分に当たる。市の中心は羽越本線の通る羽後本荘駅周辺であり、子吉川が日本海に注ぐ河口域にあるが、背後に大きな山間部が控えている。
 岩館のイチョウは由利本荘市と横手市を結ぶ107号線の途中の東由利地区の蔵という村にある。東北道から北上JTで秋田道に入り、横手ICで降りて107号線に乗る。道の駅東由利を過ぎてしばらく行くと蔵の村に入る。トンネルの手前の道を右折して広い道を1kmほど道なりに進んで郵便局前を通って直進すると岩館の集落に入る。徒歩で行くには、羽越本線の羽後本荘で降りて、羽後交通バスの東由利線に乗り、蔵で降りる(約40分)。バスは平日は1日に3本しか無いので、注意する必要がある(土日は2本)。バス停は郵便局の近くにあるので、北西に向かって進むと岩館の集落である。

堂々たる根元である。小さな洞がしつらえてある。





樹勢も盛んである。大きすぎて近くからは写しにくい。


通常のイチョウに比べて横に張り出す枝が太く、こんもりとした樹形に見える。


木々のリストへ戻る