青森県金木町の 「喜良市の12本ヤス」
  (2002.11、瀬川さん)


 12本ヤスとは変わった名前である。12本の枝が、魚を突く「ヤス」に似た形で突きだしているのでこう呼んだものであるが、実物を見ると、なるほどと思ってしまう。地上数メートルの所から一斉に枝が分かれて天を突いている。樹種はヒバであるが、ヒバの巨木は少ない。樹高33m、幹周7.2mで、樹齢は800年と言われている。
 ここでは12月12日が「山の神祭り」になっているので、12は大切な数である。この木は、新しい枝が出て13本になると、必ず1本枯れて、いつも12本になるということから、神木とされている。この木の由来は、弥七郎と呼ばれる臆病者が、勇を鼓して山の魔物を退治した際に、村人が祟りを恐れて供養にヒバの苗を植えたものとされる。
 津軽半島の根元にある五所川原から出る津軽鉄道に乗って、金木で降りる。ここからタクシーで東へ11kmの喜良市(きらいち)相野山の山中にある。車で行かれた瀬川さんは次のように書いておられます。「金木町中心から林道を山中進むと、沢筋に看板が出ている。そこから徒歩でヒバ(ヒノキアスナロ)林の急坂を上れば数分で「12本ヤス」に着きます。」



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