カルカッタの「Great Banyan Tree」 (2000.1.16)


 インドに出張することになった。お目当ては、カルカッタにあるという 世界一(?)広い木である。
 出張の用事を終えた最後の日に、インドで最初に出来た研究所(IACS)の先生に 案内してもらって、カルカッタの植物園を訪れた。この植物園は、イギリスが インドを植民地にしていた時代に、有用なものを持ち帰ったり栽培したりする目的で 東南アジアの主だった木をここに集めたのが始まりである。いくつかの木は、 ロンドンの、Kew Gardenの温室にも持ち帰られて保管されているはずである。
 植物園は広大で、お目当ての「Great Banyan Tree」を見つけるのにかなり時間が かかった。  近づくと、さすがに大きい。まったくの森である。とても一本の木とは思えない。 樹高25m、樹齢240年で、大したことはないが、広がりの周囲は420mにも達する。 国立競技場などの一周400mの陸上トラックを連想してみれば大きさが分かる。
 この木が何の支柱もなくこのように広がれるのは、次々と気根が成長して太くなり 自分で支柱を作って行くからである。現在のところ、気根の総数は2800本にも 達している。まだ次々と気根が垂れ下がり、地面に達すると太くなって 更に枝を延ばしているので、100年後にはもっと大きく膨れ上がっていることであろう。
 Banyan treeの学名は、Ficus bengalensis L.(Moraceae)で、イチジク科に属し、 同じく気根を発達させるアコウやガジュマルの仲間である。

木の近くにいる人の大きさから、木の広さを想像してみて下さい


実は、こんなに沢山の根に支えられています


もう次の世代の気根が成長し始めています


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